%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FGlSd2KcYFSM%3Fsi%3DDTaGlL_ZGfRN9ncI%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E「何から始めたら…」という相談から「何から始めたらいいでしょうか?」「既存のお客様をリピートさせる方が効率がいいのでは?」── 地方で頑張っている店舗や企業の方から、よくいただくご相談です。目の前のお客様をもっと大事にしたい。せっかく来てくれた方に、もっと何度も来てもらいたい。その気持ち、とてもよくわかります。でも、少し立ち止まって考えてみましょう。今の地域で、あなたのお店や商品を「知っている人」はどれくらいいるでしょうか?1回でも「使ったことがある人」はどれくらいいるでしょうか?もしこの問いに「まだまだ少ないかも…」と感じたなら、最初に取り組むべきはリピート施策ではなく「浸透率」を上げることかもしれません。この記事では、その理由と背景を、やさしく、わかりやすく解説していきます。あなたのお店やビジネスが「地域にもっと届いていく」ための一歩として、ぜひ読み進めてみてください。「あなたのお店・会社の“シェア”は今、どれくらいですか?」「リピート施策は良い戦略ですよ」そんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。もちろん、それ自体は間違っていません。でも──それは、ある程度の「規模」ができてからの話なのです。まだ、あなたのお店や商品が地域に「知られていない」、あるいは「使われたことがない」段階だったとしたら?その時にリピートばかりを意識していては、成長のチャンスを自ら狭めてしまうかもしれません。ちょっとだけ、こんなふうに問いかけてみてください。この地域で、うちのお店を知っている人はどれくらいいるだろう?1回でも商品やサービスを体験したことのある人は、何人くらいいるだろう?この問いに「まだまだ少ない」と思ったなら、まず優先すべきは──「1回使ってもらう人」をもっと増やすこと。これこそが「浸透率」を上げる、という視点です。浸透率とは、簡単に言えば「特定の期間に、そのブランドを1回以上利用した人が、全体の中でどれくらいいるか」という割合のこと。たとえば、地域の消費者1000人のうち、1年間で1回でもあなたのお店を使ったことがある人が50人なら、浸透率は5%。実はこの「最初の5%までの壁」を超える段階では、リピートよりもこの浸透率の上昇がほぼすべての成長の源泉になるとされています。ある調査では、シェアが5%以下の小さな成長ブランドの場合、成長の92%が浸透率の上昇からきているというデータもあります。実際、年商10億円を超えている地方のブランドでも、カテゴリー全体で見ればシェア1%未満というケースも珍しくありません。つまり── まずは「1回でも使ってもらう人」をひたすら増やすこと。これが、地方の店舗・企業が初期にもっとも意識すべき戦略なのです。「リピートより浸透率」が重要な理由とは?「リピート施策より、まずは浸透率を上げた方がいいんですね」そう聞くと、なんとなくわかるけれど、なぜそうなのか?と感じる方も多いかもしれません。私自身、このテーマについて深く考えるきっかけになったのが、専門書『戦略ごっこ』を読んだことでした。この本の中では、ブランドが成長していく構造について、数々のエビデンスとともにとても丁寧に解説されています。今回は、私がその中でも特に重要だと感じた部分を、地方の店舗や企業の方にも役立つ視点として、噛み砕いてまとめてみたいと思います。専門用語は最小限に、できるだけ実感に近いかたちでお届けします。ぜひご自身のお店や会社に置き換えて、読んでみてください。原因①:「まず浸透率」を支える数字と法則多くの店舗・企業が「よく利用してくれる客様を大切にしよう」と考えます。それ自体はとても健全な姿勢です。でも、その順番が違うと、成長の芽を摘んでしまうことがあります。有名なダブルジョパディの法則(二重の罠)では、こう語られています。ブランドはまず「使ってくれる人を増やす」ことなしに、ロイヤルティ(ファン)を高めることはできない。言い換えれば、浸透率(利用率)が低いままロイヤルなファン(お得意様)だけを育てようとしても、成長は生まれにくいのです。実際にシェア5%以下のブランドの成長の92%は浸透率の上昇が生んでいます。つまり、成長のほとんどは新しい利用者が産んでいると言うことです。まだ地域の中で「うちのお店を1回でも使ったことがある人」が少ない段階なら、リピートよりもまずは1回でも体験してもらう活動にリソースを集中することが、遠回りのようで一番の近道なのです。原因②:パレートの法則は“過信”に要注意「上位20%のお客様が8割の売上を作る」これは有名なパレートの法則(2:8の法則)として、多くの経営者に知られています。ですが、実はこの法則、期間によって大きく変わるのをご存知でしょうか?1年程度のスパンでは、上位20%のお客様が生み出す売上はせいぜい50〜60%程度。5年〜6年という非常に長い期間でやっと「8割近く」という数字に近づいていきます。つまり、まだ事業が小さく、シェアが小さいうちは、「今の上位顧客に頼りすぎる」より「新たに体験してもらう人を増やす」ほうが圧倒的に成長への寄与が大きいのです。「常連さんを大切にすること」はもちろん大事。でも、そこに偏りすぎないこと。これが、早期成長の鍵になります。原因③:ユーザーの行動は“波”でできているもうひとつ、よくある誤解があります。「うちには〇〇さんみたいなお得意様がいて…」「こういうファン層をもっと増やせばいいのでは?」「うちは、この客層にウケているので、そこを強化して獲得...」そんなふうに“今のユーザー像”を固定的に捉えてしまうことです。でも実際には、人は“波”の中で行動しています。たまたま今の時期は購入頻度が高いだけかもしれない。ライフステージの変化や季節の影響で、また利用頻度が下がることも自然なこと。つまり、今のヘビーユーザー像を基準にマーケティングを組むことは、とても危ういのです。むしろ大事なのは、「いかに1回でも使ってもらう新しい波をつくれるか」という視点。その波が増えれば増えるほど、自然とロイヤルティの高いユーザーの「母数」も増えていく。この順番を逆にしてしまうと、「リピートに力を入れているのに売上が伸びない」というジレンマに陥りやすくなってしまうのです。現場で見てきた「安易な施策」の落とし穴ここまで「浸透率をまず上げるべき理由」について、理論の側面からお伝えしてきました。でも実は、これは机上の理屈ではなく、現場で本当に起きている課題でもあります。私たちも支援に入る前の段階で、さまざまな店舗・企業の方が「良かれと思ってやってしまった施策」が裏目に出ているケースを多く見てきました。たとえば、こんな事例です。落とし穴①:利用者が少ないのに「ポイント制」を導入「リピートを促したい」という思いから、ポイントカードやアプリを導入。ですが、まだ利用者自体が少ない段階で導入してしまい、結果的に導入コストが回収できず、運用コストばかりがのしかかってしまった。落とし穴②:今の利用者像に頼りすぎて、ターゲットを固定化「今来ているお客様」を分析し、その層向けに販促施策を強化。ところがその層が、実は商圏の中ではかなり少数だったため、打った施策がほとんど効果を生まなかった。「他に広げる動き」をしなかったために、成長が止まってしまったケースです。落とし穴③:思い込みでターゲットを絞りすぎてしまう「仕事終わりの人がターゲットだ」と仮説を立て、営業時間や販促をその層に全振り。結果、仕事終わりの時間帯は少し伸びたものの、昼間や土日といった他の時間帯の集客が大きく落ちてしまった。トータルでは売上が減少し、再び軌道修正に苦労した例です。どの事例も、「お客様を大切にしたい」という気持ちから生まれた施策です。でも──だからこそ、「今の自分たちのフェーズ(段階)を冷静に見極める」ことがとても大事なのです。まずは“広げる”ことが先。浸透率を意識せずに、リピートやターゲット絞り込みに偏ると、かえって成長の芽を自分で摘んでしまう。これは現場で本当によく見かける落とし穴です。マーケティング戦略の再設計──「まずは広げる」視点に立ち返るここまでの話を読んで、「確かに、まずは浸透率を上げることが大事そうだな」と感じた方も多いのではないでしょうか。でも、じゃあ 具体的にどう考え、どう行動すればいいのか?ここからは、私たちが実際の支援現場でも大切にしている3つのヒントをご紹介します。これを知っておくだけでも、間違った順番で施策に取り組むリスクをぐっと減らせます。ヒント①:「まずは1回使ってもらう」ことが大切多くのお店や企業が、最初に「誰に届けるか?」というターゲティングをとても狭く考えてしまいがちです。でも、まだ認知も体験も足りていない初期段階では、広げるに徹します。ターゲットの母数(=ストラテジックターゲット)をまず広げることが大切です。・広告もSNSも「この層にしか届けない」よりも、「商圏エリアで幅広く届けて、まず1回知ってもらう・使ってもらう」意識を持つ。そもそも認知は「ランダムな活動」を通じて自然に広がるもの。狭めすぎたターゲティングは逆効果になってしまうことも多い。「まずは1回使ってもらう」──これを最優先に据えることで、土台となる顧客基盤が少しずつ広がっていきます。ヒント②:「万人ウケ」はブランドコンセプトで作るでは、「広げる」といっても、やみくもにすればよいわけではありません。よくあるトラップが「ターゲットは全員」と言うパターンです。そうではなく、万人ウケするための「ブランドコンセプト」が必要なのです。この商品、サービスは、どんな場面で、どんな人にとって価値があるのか?どんなイメージを持ってもらえたら、多くの人が「一度は使ってみよう」と思えるのか?ここを考えておくことが重要です。「ロイヤルティを高める」ことは、まずは結果として自然に生まれてくるもの。最初から「熱狂的なファンを作ろう」とするより、「多くの人が安心して手に取れる入口を作る」ことが先です。ヒント③:「行動習慣」を理解し、利用される文脈を知る最後にもう一つ、意外と見落とされがちなポイントです。人の行動習慣そのものは、そう簡単には変えられない。たとえば、1ヶ月1回しか車を洗わない習慣の人に、1ヶ月4回洗車してもらうのは極めて難しい。ヘビーユーザーだからといって、そこに「もっと使って」とアプローチしても、利用回数自体はなかなか増えません。だからこそ重要なのは、今すでにある生活リズムや利用シーン(=利用文脈)をきちんと理解すること。その上で、「その文脈の中で選ばれる確率(M)をどう高めるか」を考えるほうが、はるかに効果的です。「どうすれば人の行動そのものを変えられるか」ではなく、「どうすれば自然な中で選ばれるか」を意識しましょう。「この層にしか届けない」vs「幅広く届けて、まず1回使ってもらう」の視点の違い「ターゲットを広げる」とは“ターゲット層そのものを変える”というより、“伝え方・見せ方の幅を広げて、入口のハードルを下げる”ことです。その観点で、あなたの例を 「幅広く届けて、まず1回知ってもらう・使ってもらう」 という視点でわかりやすく解説してみます。例①: 二の腕専門のジム → 無理せず健康的な体を目指すジムこの層にしか届けない例:「二の腕に悩んでいる女性だけに向けた広告や発信」→ 興味はあるけど「自分はそこまで悩んでいない」「他の部位も気になる」という層を取りこぼす。幅広く届ける例:「全身を無理せず整えたい方へ。健康的な体作りから始めるジム」→ 二の腕に悩んでいる人はもちろん、「全体的に運動不足」「ダイエットに苦手意識がある」層まで間口が広がり、“まず1回体験”する人の母数が増える。例②: 豆乳専門のカフェ → カスタムできるカフェこの層にしか届けない例:「豆乳好きの人だけに向けたカフェ」→ 豆乳が苦手・普段選ばない人を入り口で排除してしまう。幅広く届ける例:「ドリンクもスイーツも自由にカスタムできるカフェ。豆乳/牛乳/アーモンドミルクなど選べます」→ 「豆乳が好きな人」だけでなく、「自分好みに変えたい人」「ヘルシー志向」「新しいものを試してみたい」層まで取り込める。→ 結果的に「たまたま豆乳を選んで気に入った」という新たなファン層も生まれやすい。例③:ざるそば専門店 → そば専門店この層にしか届けない例:「ざるそば専門」「冷たいそばのみ」に強く打ち出す→ 温かいそばを食べたい時期・気分のお客様を取りこぼす。幅広く届ける例:「こだわりのそば専門店。ざるそばはもちろん、温そばや季節限定そばも」→ そば好き全般にリーチできる。「まず1回来店」のハードルが下がる。→ ざるそばのこだわりを気に入った人が結果的にリピート客・ファンになる。ポイント解説「ターゲットを広げる」というのは、ターゲット外の人に届けることではありません。むしろ「今ターゲットにしたい人も含めて、もっと多くの“入口”を用意する」こと。・専門性は残す(売りのコアは変えない)・でも「誰が入ってきてもOK」というメッセージ設計にするそうすることで「まずは1回使ってもらう」層が増え、結果として浸透率が上がる → その後自然にファンやリピーターが育っていきます。「あなたの続けられる正解」を一緒に考えていきます私たち air は、こうした考え方をベースに、お店や企業ごとに「今、何を優先するべきか」を一緒に整理するお手伝いをしています。それぞれの地域、それぞれの規模、それぞれの商圏の中で、「続けられる正解」を見つけること。それこそが、地域で選ばれ続けるブランドづくりのはじまりだと考えています。