執筆者 | クロモリ ユウキ
マーケター | air Inc.代表
シラベルの開発者であり、air Inc.を運営しています。少ない費用で大きな成果を上げるマーケティングの研究と支援を提供しています。
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この記事の対象となる読者
ターゲット決める必要ある?
「閲覧を2倍」するための設定方法
せっかくホームページを作るなら、見てほしい人に響く内容にしたいですよね。しかし実際には、「誰に見てほしいか曖昧なままホームページを作ってしまった…」というケースも少なくありません。
今回は、年間300件以上の調査実績を持つ、シラベル運営のマーケターが、ホームページ制作において必ずおさえておくべき「ターゲット設定」についてわかりやすく解説します。
結論をお伝えすると
ターゲット設定を行なった場合、ホームページの閲覧時間と閲覧の数が2倍になります。
- ホームページを作ったけれど、なかなか成果が出ない
- ターゲット設定の方法がわからない
- ターゲット設定の効果を実感できない
この記事はで読むことができます。
【失敗談多数!?】ホームページ制作で失敗しないために!ターゲット設定が重要な理由とは?
ホームページは、お店や会社をPRするための大切なツールです。
しかし、闇雲に「かっこいいホームページを作りたい!」「おしゃれなデザインにしたい!」という思いだけで作ってしまうと、 実は誰にも響かないホームページになってしまう 可能性があります。
例えば、あなたがイタリア料理店のオーナーだとします。
「もっと多くのお客様に、本格的なイタリアンの味を楽しんでほしい!」
そんな熱い想いで、ホームページを開設したとしましょう。
しかし、ターゲットを明確にしないまま、「美味しいイタリアンがあります!」というありきたりな情報だけでは、 他のイタリア料理店と比べて何が違うのかが全く伝わりません。
結果として、
- どんなお客様に来てほしいのかわからない
- ホームページに載せる情報に迷う
- せっかく作ったのに、お問い合わせに繋がらない
なんてことになってしまうかもしれません。
では、どうすればお客様に響くホームページを作ることができるのでしょうか?
その答えは、 「誰に」向けてホームページを作るのか? を明確にする、 ターゲット設定 にあります。
先ほどのイタリア料理店の例で考えてみましょう。
ターゲットを
- 30代~40代の夫婦
- 記念日など特別な日に利用したいと考えている
と設定すると、20代の女性を取り逃すのでは?日常での利用客は?と考えてしまうと思います。
ターゲットを「30代~40代の夫婦」と設定するのは良いのですが、「記念日利用」といった情報だけでは、お客様の抱える具体的なニーズが見えてきません。
例えば、
- 「仕事終わりに、美味しいイタリアンを食べたいけど、子連れでも大丈夫なお店はあるかな?」
- 「結婚記念日のお祝いはしたいけど、気軽に行けるにオシャレなお店がない…」
といった、お客様が抱えているであろう 具体的な悩み(ニーズ) を想定してみることが大切です。
これらのニーズを踏まえ、
- 「お子様連れ大歓迎! 広々とした個室も完備」
- 「記念日プランはお任せください! サプライズ演出も承ります」
といった情報をホームページに掲載することで、 お客様の心に響き、来店に繋がる ようになります。
ターゲット設定は、ホームページで「何を伝えるか」を決める上での羅針盤のようなものです。
ターゲットが決まれば、ホームページに掲載する情報だけでなく、 デザインや文章のテイスト も決まってきます。
つまり、ターゲット設定をしっかり行うことは、 お客様に響く効果的なホームページを作るための第一歩 になります。
これは、法人のコーポレートサイトであっても、店舗のサービスサイトであっても重要なことです。
次回は、ターゲットの決め方について、具体的に解説していきます。
ターゲットの決め方は?顧客のニーズを考える
ホームページで誰に何を伝えたいのか? が明確になったら、次は ターゲットを具体的に決めていきましょう。
ターゲットは、年齢や性別で決める場合もありますが、より効果的なのは 「顧客のニーズ」 で絞り込む方法です。外にも、ファミリー層や高齢者など、幅広い層に共通する悩みと言えるでしょう。
顧客ニーズというのは、air Inc.では「人が抱えているストレスや怒り、悩み」と考えています。
まずは、お客様がどんな悩みを抱えているのか、リストアップしてみましょう。
例えば、先ほどのイタリア料理店の場合、
- 「特別な日に、美味しい料理を食べたいけど、子連れで入れるお店が少ない…」
- 「記念日をお祝いしたいけど、仕事が忙しくてお店を探す時間がない…」
- 「サプライズで彼女を喜ばせたいけど、どんなお店を選べばいいか分からない…」
など、様々な悩みが考えられます。
リストアップができたら、その中で あなたのお店が解決できる悩みはどれか? をピックアップしてみましょう。
この時、 「ターゲットを絞り込みすぎる」のはNGです。
例えば、「20代女性向け」「記念日利用限定」のようにターゲットを狭めすぎると、お客様を逃してしまう可能性があります。
「美味しいイタリアンを楽しみたい」「特別な時間を過ごしたい」というニーズは、20代女性以外にも、ファミリー層や高齢者など、幅広い層に共通する悩みと言えるでしょう。
解決できる悩みが見つかったら、次はその解決策を考えます。
これが、お店の コンセプト となります。
例えば、「子連れでも気兼ねなく美味しいイタリアンを楽しめるお店」というコンセプトであれば、
- キッズスペースの設置
- お子様向けメニューの充実
- 離乳食の持ち込みOK
といったサービスを提供することで、ターゲットである「子連れのお客様」のニーズに応えることができます。
このように、 コンセプトはホームページだけでなく、メニュー構成やサービス内容など、お店の全てに関わってくる 大切な要素なのです。
ターゲットとコンセプトが決まったら、次は、同じ解決策を提供しているお店が近くにないか調べてみます。
これを競合調査と言います。
競合とは、あなたのお店と同じようなサービスを提供しているお店のことです。
例えば、「美味しいイタリアン」というだけであれば、周辺には多くのイタリア料理店が存在するでしょう。
しかし、「子連れで楽しめるイタリアン」となると、競合はグッと絞られます。
「うどん屋」や「ラーメン屋」など、一見関係のない業種も競合になる可能性があります。
なぜなら、「美味しい麺類が食べたい」というニーズで考えると、お客様はイタリアン以外のお店も選択肢に入れる可能性があるからです。
競合調査を行うことで、 「他の店にはない、あなたの店の強み」 を見つけることができます。
競合調査は、商圏単位で行う必要があります。例えば、福岡で事業を行っていて、北海道に競合がいても事業規模が莫大に大きくならない限りは気にする必要ありません。
ターゲットが決まっているホームページの3つのメリット
ターゲットを明確にすることは、ホームページの内容を充実させるだけでなく、 その後の結果 にも大きく影響します。
「何となくホームページを作ってみたけど、なかなか成果に繋がらない…」
そう感じている方は、 ターゲット設定 が甘くなっているのかもしれません。
ここでは、ターゲットを明確にすることで得られるメリットを3つご紹介します。
ターゲットが決まっていないホームページは、 「誰に何を伝えたいのか?」 が曖昧なため、情報が散漫になりがちです。
例えば、高級レストランのホームページなのに、ファミリー向けのお得なクーポン情報が掲載されていたとしたら、どうでしょうか?
高級感を期待してホームページを訪れたユーザーは、 「自分の求めている情報ではない」 と感じてしまい、すぐに離脱してしまうかもしれません。
一方、ターゲットが明確なホームページは、 ターゲットが求める情報 を厳選して掲載することができるため、ユーザーにとって価値の高い、質の高いホームページになるのです。
あなたも経験ないでしょうか?
自分の悩みを解決してくれるような記事や商品を見つけた時、 「このサイト、すごい!」「この商品は私のために作られたのかも!」 と、ワクワクした気持ちになったことはありませんか?
ホームページも同じです。
ターゲットを明確にすることで、 そのターゲットに響くデザイン、文章、情報 を掲載することができます。
結果として、 「この会社、いいな」「このお店、行ってみたいな」 と、会社やお店のサービスに対して好意的な印象を与えることができるのです。
ホームページの最終的な目標は、 来店や問い合わせ、商品の購入など、具体的な行動に繋げること です。
ターゲットが明確なホームページは、 ターゲットに刺さる情報 を発信することで、 購買意欲の高いユーザー を集客することができます。
例えば、ダイエット食品の販売ページで、
- 「30代からのダイエットに悩んでいるあなたへ」
- 「なかなか落ちにくい大人の脂肪にアプローチ!」
といったように、ターゲットを明確にした訴求を行うことで、 「まさに私のことだ!」 と感じたユーザーの購入意欲を高めることができるのです。
ターゲットを明確にすることは、 ホームページの質を高め、顧客の心を掴み、最終的な成果に繋がる 大切なポイントと言えるでしょう。
ターゲット設定の効果を実感!
「ターゲット設定が重要」と言われても、 実際に効果があるのかどうか、半信半疑… という方もいるかもしれません。
そこで今回は、 実際のホームページのデータを分析!
ターゲット設定の有無が、ホームページの閲覧状況にどのような影響を与えるのかを検証してみました。
【ターゲット】
- 安心して利用したいと言う想いに訴求
【分析期間】
2024年6月17日~2024年9月17日
【エンゲージメント時間】
平均1分48秒
【1ユーザーあたりの平均セッション数】
1.4ページ
【ターゲット】
- 特に設定なし
【分析期間】
2024年6月17日~2024年9月17日
【エンゲージメント時間】
平均52秒
【1ユーザーあたりの平均セッション数】
0.72ページ
【ターゲット】
- 特に設定なし
【分析期間】
2024年6月17日~2024年9月17日
【エンゲージメント時間】
平均14秒
【1ユーザーあたりの平均セッション数】
0.36ページ
上記の結果を見ると、 ターゲットを定めたホームページは、そうでないホームページと比較して、ユーザーのエンゲージメント時間、平均セッション数が大幅に増加 していることがわかります。
- エンゲージメント時間とは、 ユーザーがホームページを閲覧していた時間の合計 を表します。
- 平均セッション数とは、 1人のユーザーが1回の訪問で閲覧したページ数の平均 を表します。
これらの数値が高いということは、 ユーザーがホームページに興味を持ち、より多くの情報を得ようとしている と解釈することができます。
つまり、ターゲットを明確にすることで、 ユーザーの心を掴み、ホームページに滞在させる時間、閲覧するページ数を増やすことができる のです。
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